ECCジュニアのホームティーチャーのコラム

日本人の英語に足りないレスポンス力を付けさせる教え方

英語の会話が苦手な人は

日本人の英語学習者には、文法知識が豊富で、読解も得意であるにも関わらず会話が苦手という人が少なくありません。 日本語での会話なら、特に考えることもなく、相手に対して容易に応答できるのに、英語となると、とっさに言葉が出なくて間があいてしまい、 会話が途切れ途切れになってしまう、という方も多いようです。 これでは円滑にコミュニケーションが取れているとは言えません。こうしたことが起こる原因のひとつとして、学習者のレスポンス力が足りないことが挙げられます。

英語学習指導者は基礎的な英語力の指導に加え、レスポンス力を向上させるための指導を行う必要があります。 効果的な方法として、クイックレスポンスというトレーニングがあります。 耳で聞いた単語の訳を瞬時に声に出すという、同時通訳者が実践している練習方法です。

より効果的な練習方法

「日本語→英語」「英語→日本語」の2パターンで行います。単語だけでなく会話文(よく使われるフレーズ)で同様のトレーニングを行えば、より効果が期待できそうです。 「英語を英語のまま理解し、考える」レベルに達していない学習者の実践力を養うのに非常に適した方法と言えます。

また、実践に近い状況に慣れるためのロールプレイングも有効です。前述のトレーニングで身につけた瞬発力を会話に応用する練習にもなります。 ロールプレイングの設定を「初対面の人との会話」など、より現実に即した内容にすれば実用性が一層高くなります。

メンタル面の指導も

このふたつのトレーニングに加え、学習者にメンタル面の指導を行うことも重要です。 日本人は、外国人ノンネイティブスピーカーに比べて、会話における文法や発音の誤りに対する心理的な抵抗が強い傾向があります。 外国人ノンネイティブスピーカーが文法的な正しさよりも伝えたいことを優先して発話するのに対し、 日本人は相手の言葉を理解してから頭の中で自分の言いたいことを組み立て、さらに文法チェックという作業を経て発話するため、 応答までに時間がかかってしまうということがあるようです。

確かに正しい言葉を使うことは大事ですが、実践的コミュニケーションにおいては 「正しい語法・発音で正確な文章を述べる」ことよりも「その場の状況に応じて適切な応対をする」ことが求められます。

英語はあくまでコミュニケーションツールのひとつであることを学習者に理解させ、正確性にこだわることよりも、 まずは声に出してみることの重要性を説くこともひとつの手です。

学習者との対話を通して、間違いに対する心理的抵抗を取り除き、臆することなく英語を話せる環境を作ることが重要です。

総合的に英語力をつける

このように、学習者のメンタル面も考慮した上で、文法や発音といった基礎的な学習指導に加え、上記のトレーニングを取り入れることにより、 日本人に足りない実用的な会話力が強化されます。 学習者は、より実践的な英語力を身につけることができるでしょう。

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